Saturday, February 03, 2007

思考実験(精神分離 厭離)

Bamboo Flower: 思考実験(精神分離 反駁)

続き

彼女は、彼が浮気をしてからどういういきさつで別れたのか、さっぱり覚えていない。
それどころか、彼のことさえ覚えていなかったのだ。

彼女は、朝起きるたびに自分の体にあざや傷が増えていることに気がついた。
もちろん彼女は、それが別の人格によるものだと悟っていた。
なぜなのかはやはり理解できていなかった。

追い討ちをかけることが起こった。
ストーカーと思われる人物が、決まって夜24時に玄関をノックすることに気がついたのだ。
最初は5回であったのが、次の日4回、その次の日3回とカウントダウンしていた。
普段は彼女が寝ている時刻。
それから彼女は寝られない体質となった。

カウントダウンが1回に迫った日、ポストに更なる封筒が投函されていた。
入っていたのは一本のビデオ。
消印は彼女の住む町の郵便局。
ビデオを上映すると、そこには以前写真に写っていた妙なアングルからの自分の部屋。
そこにたたずむ自分。
正座をし、カメラに向かい、ただ頭を垂らしている。
それを見たとき、直感的に、別の人格の自分であると悟った。
しかし、そこから発せられたことばは意外な音程であった。
異常に高い。
「わたしはね、あなたのともだち。まだうまれて1ねんたってないの。」
?これは?
「わたしはね、シンジが死んでからうまれたの」(真司=免許証の男)
「しゃしんをおくったのはわたし」
「ナイフでね、手をね、きったりするのは、カルド。2番目のあなた。かれはこわいわ」
・・・
「わたしは3番目のあなた。カルドもわたしのことはしらない」
「おしえてあげる。シンジが死ぬまでのこと」
「あなたが殺されるまえにね」

続く

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