Tuesday, March 20, 2007

思考実験(パトリオティズム 3G)

続き

「踏み絵」
日本は愛国心強きものを国民として受け入れる制度を成立させた。
国民はその承認を受けるために下記のいずれかを満たす必要がある。
・「国」のために、私財を奉納する
・「国」のために、公務およびそれに準ずる職務に就く

前者は、前述した徳政令と同義と思っていい。
厄介なのは後者。
これは、表向きは財力のない市民に対し抜け道として用意された条項であるが、簡単にいえば自治警察機構の形成を促すものである。
つまり、関門海峡や中四国連絡橋付近の国境付近では、「非国民」がうじゃうじゃいることになり、警備するには公務の警察機構だけでは人員が不足する。自警団としての人員を確保する必要があった。そこで、「国民」としての資格を与える代わりに警備を課する、この制度の導入にあいなった。

この制度自体は問題ではない。
ただし、この場合有効に機能しすぎたことが問題であった。
「愛国心」を教育された世代、このとき20から25歳にかけた体力余る人員が大量に集まって警備を強化した。彼らの中には、自分たちのことを「新撰組」といってはばからないものが多くいた。その大義名分のもと、「新撰組」員による隠れた暴力や差別が横行していくことになった。

一方的に締め出しを食らった形の自治国家の国民は、2つの大きな勢力に分断されていった。
一に、「日本国」との友好的な国交を形成し、自治国家の安穏を築こうとする穏健派。
一に、「日本国」に対しゲリラ戦を企て、日本に対して優位な関係を築こうとする過激派。
言うまでもなく、国境付近は自称「新撰組」の日本国自警団と、自治国家過激派がにらみ合う武装地帯と化した。

この間、日本国の政治家は上記のくだらない法案だけを作っていたのかというと、その限りではない。
一部には、自治国家に政治的土壌を持っていたり、自治国家の思想に共感している者がおり、これら「有志」は秘密裏に防衛線を越えて自治国家へ逃亡したり、国内でゲリラ組織に匿われて隠遁した。

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ここまでがバックグラウンド。
これで話の1割くらいしか達していない。

物語はこの後、前首相の息子である政治家の国外逃亡を阻止しようとする諜報機関と、自治国家に滞在する国連派遣員(裏でCIAが糸を引いている)の情報操作戦に移る。
日本と自治国のテレビ、インターネット等手当たりしだいのクロスメディア戦略が繰り広げられるが、いずれの目論見も破綻する出来事が起こる。
それは「情報再構成者」の登場。
あふれかえる真偽不明の情報に対して、まるで事実を知る神のごとく、すべての情報の真偽を暴き周知させる能力を持つ者。
たとえば、あるある大辞典IIが「納豆ダイエット」の放送をすれば、その10数秒後にはその嘘を暴き、○○テレビの電波をジャックし「捏造内容を放送いたしました」とテロップを出す。
「この能力を持つ者が日本もしくは自治国のどこかに存在する」
そのとき、2大勢力は彼の能力者を全力を持って確保しようとする。

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続きは気が向いたら書きます。

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