Thursday, April 17, 2008

土佐弁辞書 III-1 高知の文化 ('05復刻版)

3時間目<文化>高知の文化

目次


<1.概要>



地方は高知県中東部。西部のみ幡多弁というまた別の方言。私の叔父に依れば、高知には他にも清水弁、仁淀弁など細かく分類すると数え切れないほど派生があるらしい。土佐弁は伊予弁(愛媛弁)に近い(「がいな」とか)部分もあるし阿波弁(徳島)に近い(「~きに」、「しわい」など)部分もある。特徴としては、年寄りの土佐弁熟練者は「ぢ」と「じ」、「づ」と「ず」を完璧に使い分けて、またそれを聞き分ける能力がある。おれが聞いたところ、若干鼻にかかるのが「ぢ」と「づ」であったように思われたが。


そして、土佐弁使用者はそれほど古典に違和感を覚えない。十分な古典教育を受けていなくても大体理解していて教養がある。

また、返杯(杯を空けて注いでもらい、注がれたら必ずその人の杯に酒を注ぐ)など、飲みの席(土佐弁ではおきゃくという)における文化が充実している。高知では全国とは違い麒麟が圧倒的シェアを誇る。麒麟の消費量もこの県がNo.1らしい。ローカルでやってるキリンのCMが面白い。他社のビールを「たっすい」(味のうすい、つまらないの意味)と評し、キャッチコピーは「たっすいがはいかん」。味のまろやかなAsahiは好まれにくい県民性らしい。そんなところだから昼間から酒を煽る人も多い。そのためか交通事故死率No.1。風紀もそれほど洗練されていない。なのでか知らないが中絶率No.1。大昔に「鬼国」と呼ばれていたというのがうなずける(出身者でありながら)。

私のイメージかも知れないが、四国山脈を隔てて北はおっとりした性格、南は苛立ちやすい(土佐弁でいられという)性格だと思う。そういえば、教育自体もそれほど水準が高くない、というよりかなり低い。高水準の公立の中学校と高校がほとんどないのは高知くらいのものだと聞いた。体育の水準も低い。県対抗の陸上競技は下から数えた方が遥かに早い。格闘技系は強いらしいが。

良いところも書かなくてはなるまい。県の自治は政策面等で水準が高い。自然が多く、土地もふんだんにあり、窮屈な生活を余儀なくされるような人はいない。基本的に騒音問題は気にしなくても良い。農家が多いためか食いっぱぐれる心配もあまりなさそうだ。携帯などの普及はあれほど広い県下にスムーズに進み、全国でも早い方だったと言われる。文化として、新しい良いものは躊躇なしに採り入れる性格が基盤になっているので、「よさこい」のような楽しいものが次々生み出される。

男女の間に言語の差があまりない。それだけでなく、序列もあまり定かでない。これは男女同権が叫ばれるようになる前からの話で、そういう気性が女にも男にもあるということらしい。というか経験的に確実に女の方が強い。また、酒を異常に強く進める。テンポが早い。高知の女性を嫁にすると人生が面白いことになる(詳しくは言わない)。

気候は住むに最高である。夏は確かに暑いが、台風や何かで暑いのはふっ飛んでいくし(それ以外のものもふっ飛んでいくけども)。冬はさほど寒くないし。愛すべき風土と文化、一度来てほしいものである。

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