Saturday, December 09, 2006

不思議(教育再生会議)

今回判らないもの。
これまで取り上げた「A級戦犯」とか「造反」といった概念ではなく、実在するものです。
「教育再生会議」&「義務教育」

さて、参加者は以下のとおり。
安倍内閣総理大臣、塩崎内閣官房長官、伊吹文部科学大臣、下村官房副長官、鈴木官房副長官、的場官房副長官、池坊文部科学副大臣、山谷総理補佐官、有識者16名

野依教授が座長となって教育のあり方を考えていく会議、のようだが、伊吹文部科学大臣の検討したいところは、責任の所存所在らしいことが発言から分かる。
「国民に対して共通の基礎学力・基礎規範意識を植え付けるとなると教育の最終責任はどこにあるのか、ということについてこの会議で御議論いただきたい」

ついでに、政府としてはやはり戦争の結果責任が頭をもたげているのか、政治が教育を縛ってしまうことは特に怖がっています。
それは、特定の政治イズムを教育の現場に入れないように、という言葉にひそんでいます。

いや、確かに高校でやる「公民」の内容ほどつまらないものはなかったですよ。
参議院が何人だとか、政治の外枠だけをうわごとのように繰り返し暗記したんで。
政治の中身なんて一切学ばなかった。少なくとも教科書からは。
だから、学ぶ方の子供たちも分からないんですよ。
政治が自分たちに義務教育を施してどんな大人になってほしいと思っているのか、どう考えて政治が義務教育を作ったのか。

私も知りません。義務教育がどんなゴールを持っているのか。
伊吹文科相も、「この会議で御議論いただきたいことは、義務教育とは何かというこ
と」といってるので、大臣でも分からないのでしょう。
同じ問いに、多くの国民は漠然と「必要だから」と答えるでしょう。

普通の親は子供を躾けるときに、必要なことから教えていくのです。
子供が親に「なぜ必要?」と問えば、親は子供に親切に答えるものです。
そうすれば子供も言う事を聴くでしょう。
だが、子供が政府に「義務教育はなぜ必要?」と問えない。問うても答えられない。
親もその点に関してはよく分からないでしょう。
でも必要っぽいから子供に教育を強いています。
「とにかく学校の勉強をがんばりなさい」と。
さらに、教育の義務が憲法で課されています。
憲法は何を教育するかは明言していませんが。

私は「教育再生会議」に高望みはしません。
会議が始まったこと、それだけで大きな成果だと思います。
教育について考え始めること。
これはむしろ、教育の義務を課された親や社会の、新たな義務でもあり、
教育を受ける子供たちに対して、最大の発言の機会を与える必要があります。
たとえ、これがパンドラの箱を開けることなのだとしても。

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