Thursday, February 23, 2006

インターネットが無機的であること II

膨大な文章を「読む」操作をせずに、重要なエッセンスを引き出す試みがある。
たとえば、コンピュータにまず文章を構成する単語に分解させて、それらのつながりを助詞、接続詞から推測させることで、一番重要なキーワードを発見するという研究がある。
やはり文章の中の言葉たちも有機的に連結している。
コンピュータはそれを逐一拾って全体を把握してやっと最高位の単語を選択できる。
だが、そもそも文章を読む人間は、そのトポロジーを不随意的に解析し細部を壊死させて重要な部分だけを抜き取っているのだろうか。

もしそうなら、ネットサーフィンのもっといい方法がありそうだ。
現在大半の視聴者はハブとなるいくつかのポータルサイト、検索サイトからリンクを手繰り下っていって目的地に達する。
これはそもそもコンピュータ的なやり方で、すべてのドキュメントを並列的に網羅した上で評価値の高い物から序列的に閲覧することに他ならない。
独自の評価関数でインデクシングし検索ワードに一致したものから表示する検索エンジンが根っこにあるから仕方が無いことではある。
まあ、これでもインターネットを辞書として使う目的だけでサーフィンしているならかまわない。
しかし、インターネットを構成する数々のサーバやドキュメント、コンテンツのなかで、本当に人間が見たいと思うものを探す術は、単なる単語の一致度とは限らない。(続)

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