Thursday, April 05, 2012

ある日1

土佐寮という大学生寮は、高知県出身学生ばかりが住んでいて、
夏季休業にはかならず地元高知で開催される「よさこい祭り」に
「土佐寮チーム」として参加することになっている。

よさこい祭りは、音楽自作、踊り自作の極めて自由な踊りを披露し競う場である。

僕も土佐寮在籍時にはよさこい祭りに3回出場した。
多くは踊り手としてだったが、
2年のときだったと思うが音楽作製にもちょっと関わった。
その時は、作曲の有人(現TACOBONDS他)と一緒にミキサーとしてスタジオに入った。

有人と僕は、大学2年の前半を相部屋で過ごした仲である。
二人で「寮三役」という寮の事務係を担当しており、
この役を任される人は、事務を円滑にすすめるという名目で
相部屋を強要されるのだが、そのかわり広い部屋を充てがわれる。
片方はエモコア大好きのドラマーで、もう片方はプログレメタル好きのヘボギタリストだった。
やたらCDが散乱した部屋だった。

スタジオに入った日。
有人の「はい」というタイミングで「録音ボタン」を押す。
簡単な仕事だ。
有人は、自分の部屋で簡単なベースラインを弾きそれをテープに録音し持参していた。
最後スタジオ内でドラミングして、テープに重ねどりすれば終わり。
当時はテープに4chくらい録音できる専用MTRがあったのだ。
有人所有MTRをスタジオまで持参し、最後のドラミングをレコードする。
よさこいの音楽はシンセ全開できらびやかなうるさい曲が主流だが、
有人は枠を脱線しパンクっぽいエモっぽい音楽に仕上げていたと思う。

夏の晴れた日。
大学の勉強もそこそこに、
音楽とか麻雀とかしていた日が懐かしく思われる。